介護施設・デイサービスでの塗り絵レクの進め方
塗り絵は、準備に手間がかからず、体力に自信のない方でも座ったまま参加できるため、デイサービスや介護施設のレクリエーションとして広く取り入れられています。ここでは、はじめて塗り絵レクを担当する方にも分かりやすいように、準備から当日の進め方、声かけのコツまでを順を追って紹介します。
塗り絵レクが現場で選ばれる理由
塗り絵レクには、現場で扱いやすい利点がいくつもあります。道具は印刷した用紙と色鉛筆があれば始められ、特別な設備は必要ありません。立ち歩きが難しい方や、大きな声を出すのが苦手な方でも、自分のペースで静かに参加できます。さらに、一人ひとりが別の絵柄に取り組めるため、その日の体調や好みに合わせやすいことも魅力です。
準備するものと、人数・時間の目安
準備は前日までに済ませておくと、当日があわてずに進みます。
- 印刷した塗り絵:参加者の人数より数枚多めに、難易度の違うものを取りまぜて用意します。
- 色鉛筆:本数の多いものを数セット。握りやすい太めのものがあると親切です。
- 下敷きと消しゴム、鉛筆削り:机が固い場合は下敷きがあると塗りやすくなります。
人数は、職員一人が目を配れる範囲としておおむね五〜八名程度が落ち着いて進めやすい規模です。時間は、導入から片づけまでで四十分〜一時間ほどを見ておくと、急かさずに取り組めます。
当日の進め方(四つのステップ)
進行に決まった正解はありませんが、次の流れを土台にすると安定します。
- ①導入:「今日は秋の花を塗ってみましょう」と季節やテーマを一言そえて、絵柄を選んでもらいます。選ぶこと自体が楽しい時間です。
- ②制作:塗り始めたら、見守りを基本に。手が止まっている方には「この葉っぱは何色にしましょうか」とそっと声をかけます。
- ③声かけ:上手・下手を評価せず、「やさしい色合いですね」と取り組みそのものを認める言葉を選びます。
- ④鑑賞:仕上がった作品を並べて一緒に眺めます。壁に飾ると次回への楽しみにつながります。
参加をためらう方への声かけ
「子どもっぽい」「うまく塗れない」と気が進まない方には、誘い方を少し変えてみましょう。「お孫さんへのプレゼントにどうですか」と目的をつくったり、「色の組み合わせを教えてほしい」と頼りにする形でお願いしたりすると、自然に手が動くことがあります。数字に沿って塗るパズル塗り絵を、ゲーム感覚で紹介するのも一つの方法です。
大切なのは、無理に勧めないこと。今日は見ているだけでも、次回そっと色鉛筆を手に取ることがあります。
レクを長く楽しむ工夫
毎回同じ絵柄では飽きてしまうため、季節の行事や花にあわせて図案を入れ替えると、会話のきっかけが生まれます。昔行った観光地やなつかしい物語の絵柄は、当時の思い出を語り合う回想のきっかけにもなります。好齢舎では、季節・行事・動物・物語など幅広い塗り絵を無料で配布していますので、その月のテーマに合わせて選んでみてください。