雪の降る大晦日のこと。優しいお爺さんとお婆さんがいました。
「この笠を売って、お正月のお餅を買ってこよう」
お爺さんは町へ出かけましたが、雪がひどく、笠は一つも売れませんでした。
帰り道、村外れに立つ六体のお地蔵様を見つけました。頭には雪が積もっています。
「お地蔵様、これは冷たかろう」
お爺さんは売れ残った五つの笠と、自分の手ぬぐいを、一つずつ丁寧に被せてあげました。
その夜のことです。お爺さんとお婆さんが眠っていると、外から不思議な歌と足音が聞こえてきました。
『ズシン、ズシン……笠をくれた爺さんの家はどこだ』
なんと、笠を被ったお地蔵様たちが、大きなソリを引いてやってきたのです。
戸を開けてみると、そこにはお米やお餅、たくさんのご馳走や小判の山が置かれていました。
お地蔵様からの恩返しに、二人は何度も手を合わせて感謝しました。
そして、とても温かく幸せな良いお正月を迎えました。めでたし、めでたし。