海辺の村に、心優しい漁師の浦島太郎が住んでいました。ある日、浜辺で子供たちがいじめている一匹の亀を見つけます。
「こらこら、かわいそうじゃないか」
太郎は亀を助けて、そっと海へ逃がしてあげました。
数日後、太郎が海に出ていると、あの時の亀がひょっこり顔を出しました。
「太郎さん、助けていただいたお礼に、竜宮城へご案内します。さあ、私の背中に乗ってください」
太郎は亀の背に乗り、海の底へ潜っていきました。
竜宮城では、美しい乙姫様が待っていました。タイやヒラメが舞い踊り、見たこともないようなご馳走が並びます。
夢のように楽しい毎日が過ぎましたが、やがて太郎は村に残したお母さんが恋しくなり、帰ることにしました。
乙姫様は「決して開けてはいけませんよ」と、お土産に玉手箱を渡しました。
しかし、浜辺に戻ると村の様子はすっかり変わり、知っている人は誰もいません。竜宮城での数日は、地上では何百年だったのです。
途方に暮れた太郎が玉手箱を開けると……モクモクと白い煙が出て、太郎はあっという間に白髪のお爺さんになってしまいました。