昔々、雲の上には太鼓を叩いて大暴れする、おっちょこちょいな雷様がいました。ある日のこと、雷様は調子に乗って暴れているうちに足を滑らせ、空から真っ逆さまに落ちてしまいます。そして運悪く、お婆さんの家の井戸にすっぽりとはまってしまいました。
井戸の中から出してくれと騒ぐ雷様でしたが、お婆さんは雷様が苦手とする「桑(くわ)の木の枝」を使って井戸に蓋をし、雷様を閉じ込めてしまいます。すっかり怯えた雷様は「もう二度と桑の木には雷を落としません!」と固く約束し、お婆さんに許してもらって逃げるように雲の上へと帰っていきました。
このお話から、雷が鳴ると雷除けのおまじないとして「くわばら、くわばら(桑原)」と唱えるようになったと言い伝えられています。
📖 紙芝居・読み聞かせ原稿
【その一】の絵を見せながら
ゴロゴロ、ドカーン!ピシャーン!
空の上では、雷様が大暴れ。
「おれ様は雷様だ!そら、もっと太鼓を叩いてやるぞ〜!」
あちらこちらに雷を落として威張っている雷様ですが、実は少し「おっちょこちょい」なのが玉に瑕(きず)でした。
【その二】の絵を見せながら
「おっとっと……ああっ!」
調子に乗って太鼓を叩いていた雷様は、雲の上でツルッと足を滑らせてしまいました。
ヒューーー、ドスーン!
なんと、雷様は空から落ちて、地上にあったお婆さんの家の井戸の底に、スッポリとはまってしまいました。
【その三】の絵を見せながら
「イタタタ……おい、ばあさん!オレ様をここから出してくれ!」
井戸の中から大声で叫ぶ雷様。
しかし、お婆さんは少しも慌てません。
「おやおや、騒がしい雷様だねえ。
あんたの苦手な『桑(くわ)の枝』で、蓋をしてやろう」
お婆さんが井戸にバサッと桑の枝をかぶせると、雷様は「ヒィィ、桑の木だけは勘弁してくれ〜!」とブルブル震え上がりました。
【その四】の絵を見せながら
「ばあさん、悪かった!もう絶対に、桑の木があるところには雷を落とさないと約束するから、助けてくれ〜!」
雷様が泣いて謝るので、お婆さんは桑の枝をどかしてやりました。
「約束は守るんだよ」
雷様は慌てて雲の上へ逃げ帰っていきました。
それからというもの、人々は雷が鳴ると「くわばら、くわばら」と唱えて、雷様から身を守るようになったということです。