むかしむかし、竹を取って暮らすお爺さんが、山で根元が光り輝く不思議な竹を見つけました。
そっと切ってみると、中には三寸ばかりの可愛らしい小さな女の子が座っていました。お爺さんは大喜びで連れ帰りました。
女の子はあっという間に成長し、光り輝くほど美しい『かぐや姫』になりました。
その噂を聞きつけ、都の立派な男たちが次々と「お嫁さんになってほしい」とやってきます。しかし姫は、誰も持ってくることができない不思議な宝物を条件に出し、すべて断ってしまいました。
やがて秋になり、かぐや姫は月を見てはシクシクと泣くようになりました。
「どうしたのだ」と心配するお爺さんに、姫は打ち明けました。
「私はこの世界の人間ではありません。次の満月の夜、月の都へ帰らなければならないのです」
十五夜の夜。空からまばゆい光とともに、月からの使者が雲に乗って降りてきました。
「お爺さん、お婆さん、今まで育ててくれて本当にありがとうございました」
かぐや姫は涙で別れを告げ、光の車に乗って、静かに月へと昇っていってしまいました。